技術立国日本とエンジニア派遣

 
 

不景気の日本経済のなか、全国にある工場の海外移転が検討されている。そんな中、エンジニアの派遣がまた注目されてきているという。なぜ、派遣というシステムなのだろうか。3年前に起こったリーマンショックから立ち直りかけてきた日本経済だが、3月の大震災やその後の歴史的な円高の波に再びのみ込まれ、先行きが読めない状況になっている。これは日本中どこも例外ではない。東日本大震災による停滞からようやく回復し始めているが、製造業は特に振るわない状態だ。


ある調査結果によれば、日本の約9割の企業が、今後、日本にある工場は減少するという見通しを立てているという。工場数が減る理由としては、事業の海外シフトやコスト競争力、消費人口や国内市場の縮小といった理由が挙げられる。今後、国内の生産拠点の縮小は避けられないもようだ。こういった状況のため、エンジニアを自社で長い期間かけて養成するのが難しくなってきていることが、まずあげられる。加えて、コスト削減のため割安な派遣を雇おうというわけだ。


企業側としては、ゼロからの研究開発には時間もお金もかかるため、現在ある製品をいかに売るかということに力を注力する一方、研究開発工程よりは、より市場に近いフィールドへと人材を投入しているのだという。このためエンジニアの派遣は最小のコストで最低限必要な技術的な労働力をまかなうのに適している。だが、こういった手法は技術者の海外流失を招き、技術の継承が途絶えてしまう危険性をはらんでいる。技術立国である日本が技術者を育成できなくなることは、亡国の可能性があることを企業は肝に銘じるべきだと思う。

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